バリ島行方不明 – 船長訴追、ガイドは無罪放免

| 2014年2月21日 | 2 Comments

一週間が経ちました。救助されたダイバー4人(うち1名はツアーガイド)は帰国しました。しかし残念ながら、宮田律子さんは遺体で発見され、もう1人の現地ガイドである高橋祥子(イエロースキューバ所属)さんは以前行方不明のままです。ボランティアによる捜索活動も今日が最後となりました。

さて、1人の方が実際に亡くなられたため、死亡事故として取り扱われるのですが、インドネシア当局は事情聴取をした結果、インドネシア人船長を訴追することにし、救助されたガイドの古川さおりさんが無罪放免となりました。

正直言って私は解せません。ダイビング事故があった場合、その事故がどのような形であれガイドには必ず引率責任と言う物があると思います。今回のダイビングに関しては言えば、古川さおりさん(イエロースキューバ所属)がダイバーを引率をし、現在行方不明の高橋祥子さんは最後尾にいたようです。この場合、高橋さんは補助的な役割であるため、そのダイビングの第一責任者は古川さんとなります。

私が感じるのはインドネシア人の船長だけに責任が追求されるのは弱いものイジメにしか思えません。これだけ日本の報道が騒いだせいで、また日本大使館の人も出向いた所で、インドネシア当局としても日本人ガイドを訴追しづらい経緯があったのではないでしょうか。一連の報道を見る限り、船長の説明、古川さんの説明、救助された人たちの説明にそれぞれ違いがあり、それぞれの思惑を感じてしまいます。

もしも何かしらの理由で船長が現場を離れていたのであれば、それは大問題ですが、船長の話では途中天候不良のため泡の流れは見失ったが、ちゃんとピックアップポイント周辺には待機していたというではありませんか。しかも、ガソリンがなくなるまでの1時間ぐらいは捜索したと。

古川さんの説明によると予定通りのポイントで浮上した事になっています。しかし、救助された他のダイバーの話では潮の流れの速さを考慮してわずか31分で終了しております。本当に予定通りの場所に浮上したのでしょうか。かなり予定と違ったのではないでしょうか。

イエロースキューバのようにバリ島の拠点を置くショップの場合、レンボンガン島に限らず、バリ島周辺の様々なポイントへボートを出します。レンボンガン島のこのポイントにどの程度行っているのかわかりませんが、本当に水中の地形を把握出来ていたのでしょうか。イエロースキューバのブログを見る限り、ペニダ島(Nusa Penida)に関する52の投稿のうちマングローブ(Mangrove)を潜った投稿は1つも見当たりません。投稿の多くは著名なクリスタル・ベイ(Crystal Bay)かマンタ・ポイント(Manta Point)です。

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今回のポイントであるマングローブ(Mangrove)は沖合でのドリフトダイビングではなく、沿岸部でのドリフトダイビングです。ボート上からは左右のどちらかには必ず島が見えており、地形がはっきりしているので船長がピックアップポイントを間違える事は考えにくいです。一方、水中ですが、これと言った特徴がない珊瑚礁が永遠と続くポイントです。もちろん毎日の様に潜っていれば、特徴ある岩や地形などを目印にすることもできると思いますが、彼女たちのようなバリ島からの遠征組が果たしてそれらを把握していたのでしょうか。

また、私が潜った時は島を左に見て潜りましたが、彼女たちは島を右に見て潜っているよう感じです。そのように潮の流れによって方向が逆転するようなポイントで水中地形がどれだけ把握できていたのか、甚だ疑問です。基本的な事ですが潜行前に海面から下を見て潮の流れを確認したのでしょうか。潮見表は確認していたのでしょうか。

今回のポイントですが、先にも言った様に沿岸部のポイントです。私が潜った時、浮上する際は潮の流れから外れ、島寄りに浮上し、ボートを確認してから、ボートがピックアップできるよう島から離れる様に海面を移動したのを覚えています。彼女たちは海面でもかなり潮に流されていたようですね。潮流の上に浮上したのでしょうか。これでは時間が立てば立つ程場所が流されてしまい、視界が悪い中で探す方もかなり困難を極めると思います。しばらくしてボートがみつからないなら、なぜ沿岸部に移動して、潮の流れから外れなかったのでしょうか。沿岸部に移動しておけば、最悪島に流れ着けたはずです。

船長の問題点を上げるのであれば、捜索途中でガソリンがなくなりレンボンガン島で給油を行った事です。本来であるならばこの時点でショップなり、捜索隊に連絡してダイバーのピックアップに失敗した報告すべきだったのです。また、無線を保有しておらず携帯電話のみというのも問題でした。無線があれば周辺のボートに連絡を取る事も可能だったはずです。捜索途中でガス欠になるということはそもそも給油も余裕を持っていなかったと想定します。バリ島からレンボンガン島へは1時間ほどある距離です。これだけの移動にも関わらず余裕をもったガソリンを保有していなかった事、予備のポリタンクを積んでいなかったことにはショップとしての管理責任に疑問を感じます。

「4名の方が見つかったと聞き、残り2名の生存を願いつつ、しばらく休養させていただきたいと思います」

行方不明者がまだいるにも関わらず、ガイドとしての引率責任があるにも関わらず「しばらく休養させていただきたいと思います」というのは随分勝手だなと。

同僚である高橋祥子さんは未だ行方不明のままです。休養するのは彼女が発見されてからにしてもらいたいです。

 

亡くなられた宮田律子さんにはご冥福をお祈りし、現在行方不明の高橋祥子さんが一日でも早く無事に発見されることを心から祈っております。

 

Category: インドネシア, ダイビング, レンボンガン島

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Comments (2)

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  1. K.Teramoto says:

    JINBEEさんの普通のコメントが普通に一般化され無いのは何故でしょうか?
    古川さんは、多分、無罪なのでしょう。でも、だから訴追されなくて良い筈もありません。
    遭難の原因解析が出来ますか?プロのガイドをハイヤーして、アマの自己責任で終わりですか?
    新米の船長を、ガイドが拒否できないバリ島のシステムをこのままにして良いのでしょうか?
    2年前、バリ島で漂流して、遠洋マグロ延縄漁船に救助され、バリのコスーストガードに”奇跡”と言われた、アマチュアダイバーより。

  2. ジンベエ says:

    Teramotoさん

    コメントありがとうございます。インドネシアはまだまだ後進国ですから、1つの事件をきっかけに今後のダイビングのために大きな改善、法改正等があるとは考えづらいですね。誰かを逮捕して一件落着ぐらいとしか考えていないでしょう。どのショップで誰と潜るかはもはや自己責任なんでしょうね。

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